地域で医療ネットワークを作り、訪問診療で貢献したい

田中クリニック | 田中順一院長
(愛知県小牧市)

小牧市と犬山市のちょうど境界線近くにある『田中クリニック』は2010年に開院した呼吸器内科の医院として開院しました。同院の大きな特徴は訪問診療に力を入れていること。今回はなぜ訪問診療に力を入れるのか?また訪問診療に出会ったキッカケは?などインタビューしてまいりました。

目次

長年住みなれたご自宅で、大切な時間を過ごして欲しかった

訪問診療に力を入れていると伺いました。何かキッカケがあったのでしょうか?

田中先生

私は大学を卒業してから大学病院で働いていました。そこで多くのがんの患者さんと接する機会がありました。当時は病院の方針で症状が悪いまま家にお帰しすることはできませんでした。

でも、本当は家に帰りたいのに帰れない。そんな患者さんの声を何度も聞く中で訪問診療の存在を知り、興味を持ち始めたのがキッカケになりました。

田中先生

そんな時、偶然訪問診療をされている開業医の先生と知り合いになり実際にお話を聞く機会があり、私も訪問診療をやりたいと決意し独立することになりました。

なるほど、それで開業されたのですね。実際に開業され、今はどのようなペースで訪問診療されているのですか?

田中先生

現在は午前に外来、午後に訪問診療という形をとっています。日によって多少ばらつきはありますが、大体1日に4〜8件の患者宅を回っています。

訪問診療で大切にしていること

田中先生が訪問診療をされる中で大切にされてることはありますか?

田中先生

私が1番大切にしているんは患者さんとのコミュニケーションです。時間が許す限り患者さんとはお話するようにしています。患者さんとの何気ない会話から症状の変化に気づくこともあります。

また、訪問診療では実際にご自宅に上がり診療します。まさに患者さんの日常の生活に入り込むわけです。そこでストレスを感じてほしくない。「お医者さんがやってくる」と受け止められてしまうと患者さんも息苦しいと思うので、「楽しい雑談をする人が定期的に家にやってくる」、それくらいフレンドリーに感じていただけるよう意識しています。

医療ネットワークを作り地域の医療を守りたい

今後の展望についてお伺いさせてください。

田中先生

将来的には同じ地域で訪問診療をしている医師同士で連携し、お互い支え合えるようなネットワークを構築できたらいいなと考えています。例えば誰かが体調を崩したり県外に出かけなければいけない用事が出来たときにカバーできたら医師も助かりますし、何より患者さんのためになる。

それに例えば担当制ができたら交代で週末や夜間に待機したり、順番で長期休暇を取れるようになるかもしれない。みな医師である前に1人の人間でもあります。良い医療を提供するためには医師自身のQOLを上げる必要があると思っています。

そんな地域の医師たちと連携したネットワークを作り、この町の医療を支えたい。誰もが安心して暮らせる町にしたい。青臭いかもしれませんが、私はそう考えています。

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